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実家の料亭を手伝って5年ほど経ち、
母の体調も回復してきた頃、
私は食空間プロデュースを手がける
木村ふみさんのような存在に少しでも近づきたいと考え、キャリアアップを目指していました。
そんな時、
地元のフラワーショップが開くフラワー教室に通うことになったご縁で、
アルバイトとしても働かせていただくことになりました。
華道やフラワー教室で学んできたものの、空間演出で花を扱うには、
また違ったスキルと実践が必要だと感じたからです。
お花の販売や配達、花の種類による水揚げや
扱いの違い、様々なアレンジメントの作り方などを学び、
ようやくお金をいただけるレベルのスキルを身につけられたと思えた頃、
次のステップへ進むことを決意しました。
就職情報誌で、
以前から名前を知っていた名古屋市の「ラダックフラワースタジオ」さんが
スタッフを募集しているのを見つけました。
ホームページで経営者の垂見圭竹さんの魅力的な人柄と素晴らしい仕事ぶりに触れ、
「ぜひこの方の下で働きたい!」と思い、
すぐに履歴書を送りました。
それまで正社員として働いた会社は
1社だけでしたが、実家での経営サポートやマネジメント経験、取得資格などを
詳しく記載したところ、幸運にも面接と実技試験に進むことができました。
試験当日、
スタジオ2階のアトリエに集まったのは、
私を含めて10名。
「1時間半で花材選びから始め、技法は問わないので、ブライダルブーケを制作してください」
という課題が提示されました。
実は、アレンジメントでブーケを作ったことは何度かありましたが、
本格的なブライダルブーケとなると、経験は数えるほどしかありませんでした。
周りの人たちが手際よく花を選び、
素早くブーケを作り上げていく様子に圧倒され、焦る気持ちばかりが募ります。
途中で手直しながら、時間ギリギリまで粘って、なんとか納得できる形に仕上げました。
試験後、
オーナーの垂見さんから、
ブーケのイメージやこだわった点について
プレゼンテーションをするように指示がありました。
参加者それぞれの短い経歴紹介で、
海外留学経験者や大手花屋での勤務経験者、
フラワー教室の講師など、
そうそうたるメンバーであることが分かりました。
垂見さんは、早く作り終えた人に
「出来はどうですか?」と質問し、
「ここをもう少し〇〇すればよかった」という答えに対して、
「時間が余っていたのに、なぜ精一杯やらなかったのですか」
と問いかけました。
その言葉は、今でも鮮明に記憶に残っています。
つまり、
垂見さんが試験で見ていたのは、
テクニックだけではなく、その人の考え方や生き方そのものだったのです。
この時の経験は、
今の私が仕事に向き合う上で、大きな指針となっています。
後から知ったことですが、履歴書の応募者は50人ほど。
最終的に選ばれた5人の中に、私もなんとか残ることができました。
のちにお店やスタッフを管理する
ショップマネージャーとして仕事をさせていただくことになりました。
生花市場での仕入れの関係もあり、この時初めて実家を出て、一人暮らしを始めました。
入社当時、
設立7年目だった ラダックフラワースタジオは、私が在籍する間に目覚ましい成長を遂げ、
市内のメイン通りに面した4階建てのビルに移転。
東京の有名店からも見学者が訪れたり、
インテリアや建築系の雑誌にも頻繁に取り上げられるようになりました。
垂見さんの研ぎ澄まされた感性、
仕事への真摯な姿勢、
そして洗練された店舗ブランディング。
急な上り坂を駆け上がっていた時期を
すぐそばで仕事させていただいた経験は、今の自分にも生きています。
ショップマネージャーの仕事は、
お店全体の運営を円滑に進めるための責任者として、多岐にわたります。
商品の管理、顧客対応、スタッフのマネジメント、経理処理、
さらにはブライダルの業務にも携わるため、常に時間に追われていました。
同僚と晩ご飯を食べながら、寝落ちしてしまうほど(笑。でも、仕事は楽しく、同僚とおしゃべりして息抜きする時間もとっても楽しかった。
特に週末はブライダルの仕事が多く、
様々な業務を社員やアルバイトスタッフにお願いする中で、
「雑務を雑務と思わず、どんな仕事にも手を抜かないことが大切」だという
基本の大切さを身に染みて感じました。
そんな時、
細かい雑務も丁寧に取り組んでくれるスタッフには自然と信頼感が生まれ、
「この人にこそ、自分の仕事をお願いしたい」と、思えるようになりました。
つまり、丁寧な仕事ぶりは、誰かが必ず見ているということ。
そして、そうした姿勢こそが、
信頼を得るための第一歩なのだと学びました。